2004年12月01日


昔「一休さん」のある回に、一休さんと同じくらい頭の冴える少年が出てきて、いつもは一休さんが解決する問題を解決してしまう。

ある農民が鳥に農作物を食われるのでなんとかして欲しいと一休さんに頼みに来る。一休さんが思案していると、少年が「鳥の寝ぐらの大木をなくせばいい」といい、木を切り倒させた。鳥は寝ぐらを失い農民の家のまわりからいなくなり問題は解決した。

かに見えた。

しばらく後、大風が吹き、農民の家が薙ぎ倒されてしまったのだ。鳥の寝ぐらの大木は、防風林として今まで家を守っていたものだったのだ。

最後に、和尚は少年に諭す。
「無用の長物という言葉があるが、無用の用というのもある。一見役立たずのように見えていても、実は回り回って何かの用をなしている。」
と。


効率主義で何でも便利になった世の中だが、実はその不便さがいろいろ役に立っていたことに気付く。

煩わしい近所付き合いは無くなったが、自分自身で自分を守らなくてはならなくなった。近所付き合いが防犯の機能をはたしていたのだ。

インターネットで何でも出来るようになったが、個人情報が漏れやすくなった。

動かなくても仕事が出来るが、運動不足になった。

餓えることは無くなったが、肥満になった。

世界中に簡単にいけるようになったが、感染病も簡単に入るようになった。

害虫を駆除したら他の稀少生物も居なくなった。

……。

豊かさってなんだろう?
便利ってなんだろう?

豊かさが若者の仕事に対する意欲を低下させ、自分達が便利になってく歪みが発展途上国への搾取になり、自然破壊になり、回り回って自分自身を滅ぼす。


あいのり、ローマ帝国、データマップを続けてみたら、ふと「無用の用」の話を思い出した。



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