2011年09月28日

よく恐怖を煽るのに、広島原発の何倍とか、チェルノブイリ並みという記述を見かける。
チェルノブイリ事故との比較
に大気中に飛散した=遠方に降下した可能性がある放射性物質の構成が記述されている。
(海洋放出は別)

確かにセシウムだけ見たら福島のセシウム137放出量は広島原爆の168倍もある。

しかし白血病をおこすといわれる、骨に溜まりやすいストロンチウム放出量をみてみよう。
広島原爆は半減期の短いストロンチウム89の放出量は福島の5.5倍もあるわけである。
半減期前に広島に入った入市被曝という言葉があるが、これを大量に取り込んで白血病になったと思われる。
チェルノブイリは福島の55倍。半減期の長いストロンチウム90は70倍放出されている。

セシウム137:ヨウ素131:ストロンチウム89:ストロンチウム90の構成比は
チェルノブイリ 85 : 1760 : 115 : 10
福島      15  :  160 :  2  : 0.14
広島      0.089:  63:    11: 0.058

これをセシウムを100に正規化してみると
チェルノブイリ 100:20:1.35:0.117
福島 100:10:0.13:0.009
広島 100:707:123:0.65
残存セシウム量で単純比較した場合、
チェルノブイリは福島の2倍ヨウ素被曝し、ストロンチウム被曝も10倍以上である。
広島原爆は同じセシウム量でも福島の70倍ヨウ素被曝し、100倍もストロンチウム被曝するわけである。
だからセシウム濃度分布で単純に広島の恐怖、チェルノブイリの白血病の恐怖になるわけではない事を理解しなければならない。

さらに難揮発性元素(=重金属)となると
福島はチェルノブイリの5000分の1も放出していないし、広島原爆の400分の1も放出していない。

原発事故と原爆は単純比較しちゃいけないのである。

一部の人がプルトニウムを測定しろ、ネプツニウムが検出されたと騒いでいるが、東京程度の土壌汚染ではそもそも福島放出のものでは検出限界以下にしかならない。
沢山のサンプルを測定しなければならない時に、ほぼ不検出と推定される核種、しかも測定までに前処理が必要な核種を測定するのは、時間の無駄になる。
放射線測定より化学分析で計測し、放射性でない同位体も含んだ存在の有無だけ確認する、というやり方が一般的。

奇形の原因は、放射線の影響より重金属の化学的な作用の方が大きい。
チェルノブイリと同じレベルの汚染地域だからといって、重金属類も取り込んだ結果のチェルノブイリハートのような心臓奇形が増えるとは思えない。
妊婦子供が水銀、カドミウムに気をつけるのと同じ程度で良いと思う。
水銀があるからと、妊娠期間にまったく魚を食べなかった人は少ないだろうし、玄米のカドミウムを注意している人は少ないと思う。

重金属の成分が多いチェルノブイリや原子爆弾と、殆どが揮発性のガスだった福島をセシウム量で単純比較して、同一線量地域では多発したと恐怖を煽るのは、
いわゆる健康食品業者などが良く行う数字の統計上のトリックである。

特に、チェルノブイリの避難区域をさして不安を煽る人がいるが、
旧ソ連は初年度被曝限度を100mSv、翌年50mSvという高い設定であって、
かつ、流通制限は当初3700Bq/kgというもので、しかもそれはザル、避難地域を示す地図は半減期の短い核種がほぼ崩壊し終えた状態だし、
重金属核種の分布は含まれない状態である。
多くの人が5mSvに達してない今の日本の状態と、1Sv前後被曝しきってる旧ソ連の人たちの移住勧告を単純比較して極度な不安を煽るのはどうかと思う。

データは嘘をつかないが、その見せ方によって色々な演出が出来るものである。
それぞれが都合のよい様に取捨選択して、持論に有利に見せるよう小細工するものだ。



とはいえ、受ける影響は低いに越したことは無い。

日焼けすると体力が奪われるように、
放射線を多く浴びればそれだけ損傷した細胞の修復の為にエネルギーを使うので疲れるのである。
十分な休息と十分な栄養、副交感神経がうまく働くような精神の安定が必要となる。
放射線の影響を気にしすぎて、睡眠不足になったり、放射能を避けるために必要な栄養が足りなくなったり、それらのストレスで心の落ち着きを無くしてしまったら、せっかくの放射線対策が逆効果になるという事を頭の隅に置いて、
何事もほどほどに過ごしたほうが良いと思う。

特に深夜に掲示板書き込みとかしてると、睡眠障害になるし精神を病みがちになるので、ネット漬けになるのは良くない。
知らず知らずのうちにうつ病とはいかなくても鬱状態になり、
思考が凝り固まってまともな判断が出来なくなるし、極度の被害妄想に陥るし、
類友が集まりすぎると、相乗効果で過激な行動へと暴走する事が多い。

親の精神状態は子の心に影響するので、まずは親は神経質になりすぎず、
日常の生活パターンの範囲で出来る対策にした方が良いです。



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