2011年10月14日

文部科学省から放射線教育の副読本が発表された。

放射線等に関する副読本の作成について:文部科学省
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/10/1309089.htm

一応、一般論、科学教育としての放射線教育である。
原発推進系は削除されている。

しかし、保護者として、生徒としてはどうだろう。
今、目の前にある問題を知りたい、
その想いが強いので、この副読本にはがっかりするかもしれない。

放射線教育とは別に、
今回の原発事故の内容、対応などをわかりやすく書いた、冊子のほうが緊急に必要なんではなかろうか?

例えば、
なんでヨウ素とセシウムだけ測るのか。
測定器の仕組みと用途(数学、物理、技術家庭)
ストロンチウムやプルトニウムはなぜすぐに測れないのか。(分析化学)
放射性物質と癌の関係、ガン治療と放射線、放射性物質の関係。(医学)
植物や動物のなかでの振舞い。(生物学)
放射性物質の飛散の仕方や移動(化学、地学)
栄養学とのバランス(家庭科、保健体育)
放射線まわりの法律
除染の仕方(化学、衛生)
過去の放射線被害(歴史)

総合学習なのである。

不安なのは、何が起きてるのかブラックボックスな事と、何処まで対策すれば良いのかわからないからである。
また、反核団体は過度に危険と煽るし、原子力推進側(というか政府や経済界)は直ちに影響はないという微妙な表現を用いる。
この先も影響が無いような施策が見えないから余計不安になるわけで。

放射線とは生物誕生からの長い付き合いであり、ある程度放射線による変異を利用しながら進化もしてきたし、壊れた細胞を修復する機能も付けてきた。
細胞が破壊されるスピードと、細胞を修復するスピード、不正細胞を殺すスピードとガン細胞が増殖するスピード、個人差があるが殆どの人がそれらのバランスが維持できる範囲として、一番楽して効率的な事をしたほうがいいと思う。

落としどころが、過去の核実験時代の内部被曝データ。
あの頃の子供たちが今、立派なオッサンオバサンとなって存在してて、生活習慣のせいや公害のせいと言われる事はあっても、核実験の被曝のせいというのは当時はあっても、最近50歳で早死にしても当時の被曝のせい?なんていう人はいなかった。
それぐらい生活習慣や公害の影響のほうが大きかったというのもある。

放射線対策にだけ目が行きすぎて、生活習慣病になったり、制約しすぎて窮屈な生活になり精神的にまいったら、マイナス面が増えるということはチェルノブイリの臨床データにも出ている。

過去のこういったデータを、胡散臭くなくわかりやすく説明する教材も必要なんじゃないかなと思う。

何も、放射線対策する事が悪いと言ってるのではない。
子供のために可能な限り抑える事は良いことだし、当たり前の事。
あれもダメこれもダメという選択肢を狭めるような対策ではなく、普段の生活の範囲で2択だったら低いほうを選ぶ程度でも、
外で日を浴びて遊んだら沢山寝るという規則正しい生活も立派な対策。
これも大丈夫、こうすれば大丈夫という選択肢を増やすような対策のほうが長く放射線対策を続けられる。



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