2012年03月29日

普通の画像を形成する光学系というのはレンズを使う。
レンズは平行光を点に集光出来るわけで、正面から来た光は中央に集まり、斜め前から来た光は斜め後ろに点を結ぶ。
これをすべての方角で行った点を繋げたのが像になる。

太陽光はほぼ平行に光が入るが、太陽にも面積はあるわけで、
虫眼鏡で集めた光は点にはならず、ある大きさをもつ。
日蝕の時にはよく見ると欠けた太陽そのものが小さく見える。
理科の教科書では太陽光は平行と教わるけど、実はちょっと斜めな光も混じっている。それが、影の縁がシャープではなくボケて見える理由になってる。

赤外線や可視光は、屈折や回折で光を曲げられるのでレンズを使えるが、殆ど曲がらないX線やγ線ではレンズが使えない。
だからX線ではフィルムやセンサーに身体を密着させ、影を撮影する方式をとっている。

レンズがなくともピンホール(針穴)をつかって像を結ぶことが出来る。
木漏れ日が円の集合体のようになるのは太陽の形を投影してるからで、室内で針穴をあけた紙の影をみたら、蛍光灯の形の「木漏れ日」になる。
穴の大きさでピントが決まり、穴が大きいほどボケる。
だから穴が小さければ良いのだが、そのぶん穴を通る光の量が減るので見えにくくなる。

東芝などが出してるガンマカメラはピンホール方式で、鉛箱の穴を通ってきたγ線を16×16個のセンサーで計測する。
Ge半導体測定器1つが1千万円以上するので、センサーだけですごい値段になる。

しかしこんなのが出た。
JAXA|「超広角コンプトンカメラ」による放射性物質の可視化に向けた実証試験について
http://www.jaxa.jp/press/2012/03/20120329_compton_j.html

シリコンとカドミウムテルル半導体の層を使って、ピンホールを使わずにγ線の飛んできた方向が特定出来る。
コンプトン効果という現象を利用して、入射したエネルギー、出てきたエネルギーを計測すると、入射角が逆算出来るという仕組みで、飛んできたγ線の方向を特定する。

感度はまだ1時間も撮影しないといけないようだが、解像度を落とせば時間短縮も可能なので、今後に期待したい技術。



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