2012年01月19日

去年の晩秋から木炭や椎茸の原木の放射能の規制値が出されたわけだが、
今日、薪ストーブの灰の放射線量が多いという事で、自治体に回収するよう指示が入った。

採石場の例といい、どっかで値が出てからあたふたするこの行政体質、なんとかならんものかね。

セシウム稲藁の問題が出た時点で、色々想像出来たことだと思う。
空間線量がそれほど高くなくても、雨にあたったものには付着している。
それが多孔質であれば表面積が広いので寄り多く付着する。

今回は薪しか注目していないが、農家であれば薪に火をつけるときに杉の枯れ葉を使う事が容易に想像つく。
杉花粉が心配されるほど杉の葉に付着しているのなら、薪と同時に杉の葉を使う事を規制しないといけない。
しかしお役人というものはサラリーマン。キャンプでは着火材を使うような経験しかない。
丸太に火をつける前の焚き付けに杉の葉や柴を使うなんて予想が出来ないのだろう。

そして薪ストーブ以外に、薪も使える灯油兼用のボイラー湯沸し器があることや、まだかまどを使うおばあさんがいることも想像つかないだろう。
山間部に住む自給自足に近い生活の人こそ被曝のリスクが高い。

もうひとつ、セシウム稲藁で起きたような現象が牧草で起こっている。
干し草は、牧草を刈ったあとそのまま牧草地で乾燥させ、乾ききった後に機械でロール状にまとめてラップして保管するわけだが、
乾きかけた時に大雨が降り泥水をかぶった牧草から自主検査で、セシウム藁並みの値が出ている。
生草の時は低い値でも、谷地にある牧草がそういう現象で物凄く高い値になる事もある。
自治体の検査で規制解除されても、そういう飼料が出来てしまう。
いくら移行係数が低い作物でも、乾燥の後に泥水をかぶると物凄く高くなる。
土壌の除染をしない限り、飼料作物にはそういうリスクが付きまとう。

群馬での飼料調査で、サイレージの一部から高い値が出ており、これもまた土の混入と推定されている。

セシウム米で大騒ぎしたが、畜産現場や山間部のほうが大変である。
自然に近い生活の人が一番被害を受けている。


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